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航海日誌No.49 「定置網とオットセイ」


2012年7月6日

6時起床。朝食をいただき、お世話になった正福寺の生実さん御家族にご挨拶をして、お寺を後にする。
その際、長男の信(まこと)さんが、偶然にも今日、仕事が休みということで、
急遽、七尾港から佐々波漁港まで乗船することになった。

昨夜から天気予報では、低気圧が近づいてきている影響で、
午後から明日にかけて海が時化るという予報が出ていたので、できるだけ早く出港することにした。
朝、見送りに来てくれた、TANeFUNeを停泊させてもらった“ナナオベイマリン”のハーバーマスター川崎さんにも

「とにかく早く出た方が良い。どんどん悪くなる。明日は時化だ。
湾を出たら波風の様子を見て、あとは船長判断で、戻るなり、避難港に入るなりするように」

と言われ、バタバタと出港した。

出港時は、ほぼ無風。七尾港は七尾湾の中にあるため、海は普段から比較的安定している。
湾を出て、観音埼を廻ったらどうなるかが気がかりだったが、湾の外も波風は落ち着いており、
入港20分ほど前から雨が降ったが、それ以外は問題なく無事に航海することができた。
一瞬、雲の切れ間に、遠く立山連峰の頂を見た。
いよいよ富山が近づいてきた。

港に着くと、(株)佐々波鰤網(さざなみぶりあみ)の事務所に、ご挨拶に伺った。
佐々波港は漁協ではなく、この会社が漁協のように港を管理して、寒ブリをメインに定置網漁をしている。
実は富山県の氷見のブリのほとんどは、ここ石川県の佐々波漁港で獲れたブリである。佐々波漁港はブリの港だ。

挨拶を終えたあと、定置網の模型を見せてもらい、いろいろ話を聞かせてもらった。
特に面白かったのが、なんと、定置網には時折、オットセイが入っているというのだ。考えてみれば当然である。
オットセイからしたら、網の中にいれば、次から次に魚が入ってくるから、言わば食べ放題である。

それだけ聞くと、愉快な話に聞こえるが、
魚を回収しに網を揚げに行くときにオットセイと出くわすと、恐ろしい思いをするそうだ。
オットセイと聞くと水族館にいる芸達者なイメージしかないが、野生のオットセイは、とんでもなく怖いらしく、
その雰囲気は、野生のライオンや虎に出会ったときのようなのだと言う。
話を聞かせてくれた方の言い方では「とにかく目がヤバい。威嚇する顔もハンパじゃない」とのこと。

たしか、岩手の釜石で会った漁師さんはオットセイの皮の帽子をかぶっており、オットセイの肉は旨いと言っていた。
オットセイの肉が旨いのは、美味しいブリを食べているからなのかもしれない。

明日は、氷見港に入港予定だが、低気圧の影響で出港が危ぶまれる。
明日の朝、天候を見て判断しようと思う。

(テキスト:五十嵐靖晃)

記録

日時 7月6日(金)17:00 天気 曇り
現在地 佐々波漁港 最高気温 22.5℃
緯度 37°00′827N 最低気温 22.0℃
経度 137°02′952E 湿度 92%
進行 第20航海 風向 南西
航海航路 七尾港→佐々波漁港 風速 4m/s
気圧 1005.9hPa
航行距離 16.2海里(30km) 波高 1m
航行時速 7.0kt(13km/h) 降水量 0.0mm
出港時間 8:10 日の出 4:38
入港時間 10:10 日の入り 19:16
航海時間 2.0時間 満潮潮位 (5:17)36cm (15:31)46cm
船長 五十嵐 干潮潮位 (9:38)31cm (23:19)13cm
船員 喜多 菊池 生実 随伴船 なし

 

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