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景色の周縁と中心


赤れんが倉庫前の舞鶴東港をTANeFUNeとともに5月19日(土)に出発して、約ひと月が過ぎました。
ここまで、竜宮浜、高浜、小浜、世久見、丹生、色浜、甲楽城、小樟、鷹巣、三国、安島、橋立、安宅、金沢・大野と、14の港に立ち寄りました。

 新しい土地に「海」から入っていくというのは、私にとってこれまでにない土地との出会い方があります。

例えば、JRや私鉄の駅を降りて、または、車で国道や県道を通って、ある漁村へたどり着けば、海は最後に見えてくる景色として、その土地の「周縁」に感じるかもしれません。そしてその先の「どこか遠く」へつながっている海のロマンや広がりを感じるかもしれません。

一方で、船に乗って、隣の港から隣の港へと移動すると、広大な海の中でそこに港ができ人が寄り添いながら生きていること、そこに集落があることが、あまりにも自然に感じられます。そこは景色の「周縁」ではなく「中心」であり、そこから必然性をもって陸に向かって世界が広がっていることが実感として分かるのです。かえって、JRや私鉄の駅が遠くて不便に感じます。車の移動が遠回りに思えることもあります。

 おそらくどちらの視点もあるべき姿で、様々な知恵と文明を駆使した現代社会を生きている私たちにとって、「陸からの視線」と「海からの視線」、複数の視点を意識し続けることが重要なのだと、あらためて実感しています。

(テキスト:森真理子<舞鶴事務局/航海スタッフ>/写真:喜多直人<金沢/航海スタッフ>2012.6.22)